北海道大学
本日お話するのは、帰国生の医学部受験について。
帰国生の中には、医学部を目指している生徒もいるでしょう。では、帰国生の医学部受験がどんなものなのか知っている人はそう多くはありません。まず、全体的な話から、帰国入試の現状をお話していきますね。
以前もお話しましたが、大学から帰国する生徒全体はだいたい年間1000人程度。一般受験する国内生は、国内に65~70万人ほど。つまり帰国生の割合は、受験の世界で約0.1%の少数派です。
では、現在79校ある医学部※今後増設予定 のなかで、いくつの医学部が帰国入試を実施しているかというと、
現在帰国入試を採用しているのは、国立7校、私立1校の計8校のみ。具体的には、
【国立】
北海道大学
東京大学
富山大学
金沢大学
浜松医科大学
九州大学
佐賀大学
【私立】
慶應義塾大学
※募集定員もすべて、若干名となっています。
※試験内容は、小論文・学科試験・面接など
そして、この中で昨年度合格者を出したのは、北海道大医学部の1名のみでした。相当厳しいと思いませんか。やはり、小論文や学科試験で医学部レベルに達していないため、医学部側も合格を出しづらいというのが本音のようです。
一般枠(推薦含む)の医学部合格者は、年間8000人程に対し、帰国枠合格者は、なんと1名。帰国生にとって医学部受験(帰国枠での)は、相当にハードルが高い。つまり、帰国生が医学部に入りたければ、一般入試や推薦入試で突破するほうが可能性が高いのです。
では、一般枠の医学部受験のレベルがどのくらいかというと、地方の国立大医学部で、東大・京大の理系学部(医学科除く)と同難易度だと言われています。もちろん、科目の数などで違いはありますが、国立医学部に必要な力は、およそ東大京大理系レベルだと考えておいて間違いないでしょう。(また、私立医学部の難易度も、早慶理系学部と同程度。もちろん、慶應医学部などは、東大理系学部以上の入試難易度です。)
つまり、帰国生が国内の医学部を目指す場合、国内の最上位生と競うことになります。これは並大抵のことではありません。通常2~3年間しっかりと受験勉強してやっと合格できる医学部です。帰国生は、カリキュラムや予備校や塾などフォロー体制などがまだまだ整っていません。
本気で帰国生が合格しようと考えるならば、今から年間受験計画の作成やそれをフォローできる環境を早急に整えましょう。※受験対策の参考サイトを後述。
その際、最も大切なことは、現代文がすべての科目の根幹であるということの認識。現在、小学生や中学生で高校も現地校やインターナショナルスクールを考えているならば、毎日の日本文の音読や作文の訓練がおすすめです。医学部受験に限らず、正確な国語力は、社会に出たときに必ず武器になります。
帰国生の医学部受験は、本当に大変です。ただ、現実をしっかりと受け止め、目標達成に向けて着実に積み上げていきましょう。どうしても医者になりたいという熱量が受験のモチベーションになります。
具体的な受験対策について、以下のサイトが参考になります。
それでは、次回も一緒に帰国入試知識を一緒に勉強しましょ!