今回は、帰国生入試の中でも大学入試にスポットを当ててご紹介します。
早速ですが、質問です。
今年、センター試験に出願した生徒は553,368人でした。私立専願や推薦組の生徒を含めると、およそ75万人~80万人が受験をすることになります。
では、純粋に帰国入試で、大学に進学する生徒(主に海外の現地校出身者)は、何人いるのでしょうか。
正解は、なんと、約1000人!!
過去H24年度→975人、H23年度→1235人、H22年度→1140人と帰国入試進学者は推移しています。※文部科学省公表。およそ1000人前後が帰国入試で大学に進学しているのです。今年も1000名が帰国入試で進学すると仮定すると、
帰国入試組の割合=1000÷800000=約0.1%
改めて考えるとすごく割合は少ないですね。約1000人に1人の割合です。そのため、帰国入試についての情報は少なく、偏ってしまうのが現状です。だからこそ、帰国入試は情報戦といわれる所以なんです。
では、帰国入試(大学入試)のスケジュールはどのようになっているのでしょうか。
まず、海外では夏卒業の学校が多い。そのため、例えば早稲田大学商学部は、2006年度入試から9月入試を開始しました。しかし、国内浪人組も受けれるため、浪人生の敗者復活戦という側面もありました苦笑 大学によっては、3年半で卒業できます!という制度もあるんですが、これで卒業する学生は少ないです。理由としては、好成績や就活の時期とのバッティングが挙げられます。今の日本では、4月入社の会社がほとんどですよね。そのため、4月入社に合わせると、就活の時期は、下の学年(次年度4月入学組)に合わせることになるのです。
では、インター生はどのような受験パターンが多いのでしょうか。一番多いパターンは、夏卒業後9月~2月までにある私立・国立大学の帰国入試(次年度4月入学)を受ける組み方。
入試方法は、各学校異なるため今回は割愛しますが、首都圏の経済学部系の入試日程を下記に記します。(H25年度河合塾調べ)
私立大学 国立大学
9月 早稲田・慶応義塾・上智・青山学院
10月 学習院・明治・法政 横浜市立大
11月 立教 横浜国立大
2月 東京大、京都大、一橋大
しかも、これらの大学は、日程がかぶらなければ複数の大学を併願することができます。国立大学間でも併願ができるんです。一般入試だと前期・後期の二度しか受けられない国立大でも帰国入試ならいくつも受けられます。
ただし、医学部医学科は超難関で、すべての大学を合わせても帰国枠合格者は10名いくかどうかではないでしょうか。一般入試で狙うレベルが必要です。
さて、最後にこのような大学入試の帰国枠ですが、たいての大学の志願倍率は1.5倍から7倍ほどあります。しかし、受けている人が複数の学校を志願しているため実質倍率はもっと少ないという数字のマジックがありますのでご注意を!
各大学の特徴や入試方法について、またの機会に。今年インターを卒業する方は、今から情報収集しておくことをおすすめします。
生徒が成長できる環境を得るために、帰国入試の知識を深めていきましょう!