慶應義塾には、通称SFCと呼ばれるキャンパスを持っています。こちらは、小田急片瀬江ノ島線湘南台駅から、バス15分程度の距離にあるキャンパスで、学部は、総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部の3つがあります。附属の中高も併設。
今回ご紹介するのは、その湘南藤沢キャンパス(略SFC)の高校入試について。
SFCの高等部は、他の附属校と大きく異なる特徴を持っています。それは、高校入試から近隣の中学生は試験が受けられないということ。

つまり、出願資格が帰国生と地方生に限定されているのです。全国的にみても、非常に珍しい出願資格で、帰国生20名、地方生若干名が定員です。中学からの内進組の約200名強と合わせた、計240名が一学年の人数になります。

ちなみに、地方から慶応に行きたいという場合、この制度は志願者層が絞られるという点で、非常に有利です。この制度を利用して両親の転勤に合わせて上京したり、母親と上京する家庭も中にはいるほど。結果、各地域の優秀生が集まる傾向にあります。

これは、慶應卒業生の人脈を地方や海外に広げるために作られたといわれています。
それと、帰国入試枠の出願資格は、以下。※HPより引用。2023年度の要項。
下記の条件をすべて満たしている者に限ります。
1.2022年4 月以降、2023年3 月末までに、学校教育における9 年の課程を修了または修了見込みの者。ただし、「9 年の課程」とは、我が国の義務教育の課程に相当するものであること。
2.次のA からD の4 項目のうち1 項目を満たしていればよい。
A. 2020年4 月1 日~2023年3 月31日の3 年間に通算1 年6 か月以上、国外の学校に在籍した者。
B. 2017年4 月1 日~2023年3 月31日の6 年間に通算3 年間以上、国外の学校に在籍した者。
C. 2014年4 月1 日~2023年3 月31日の9 年間に通算5 年間以上、国外の学校に在籍した者。
D. 国外学校在籍期間と国内在住期間をそれぞれ、2023年3 月から始めて2014年4 月に向けて遡って数えていき、「ある時点」でそれまでの通算国外学校在籍期間が通算国内在住期間をうわまわること。ただし、「ある時点」では、通算国外学校在籍期間が18か月( 1 年6 か月)以上であること。
3.TOEFL iBT 70点以上、またはIELTS 5.5以上、または実用英語技能検定試験(S-CBT/CBTを含む)準一級以上を取得している者。( TOEFL iBT・IELTS については、2022年11月1日時点で有効期限内である証明書の提出を必要とする。実用英語技能検定試験については、2022年11月1日時点で資格認定日から3 年以内のものとする。)
また、筆記試験は、2022年度入試から、数学・課題型小論文・面接(英語含む)に変更されました。出願要件に英検準1級以上の英語力が課せられたため、以前の入試(3教科)よりも、出願時点で受験生が絞られています。SFC志望者は、中2までに英検準1級を取得できているといいですね。

海外生や地方生といった多様性という点、ITや英語教育にも力を入れている点で他の高校とは教育方針が一味異なるSFC。今後さらに卒業生が活躍していくことでしょう。