2月1日は中学受験の開幕日でした。1日は、首都圏の主な中学が入試日。受験生・保護者の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして2日からも引き続き入試のあるご家庭も多いと思います。最大の力を発揮できるよう頑張ってください。陰ながら合格を祈っています!
また、現在小5の方は、この一年が勝負です。長い長い一年であり、あっという間の一年です。この1年は、様々なことが待ちうけていることでしょう。成績のこと、友人のこと、親子関係などなど。しかし、中学受験で成長する生徒が多くいます。目標であり、子供の通過点でもある中学受験に向かい、子供の成長が第一であるという前提のもと真剣に取り組み、走り抜けましょう。そんな方を私は応援します。
今回は公立中高一貫という選択肢について。
現在中学受験を考えている方は、どこの中学にしようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。10年ほど前までは、選択肢はそれほど多くありませんでした。大きく分けて、3つ。私立中、国立中、公立中。それらは、当時、
私立中は、授業料高いし、
公立中は、カリキュラムが良くないし、
国立中は、難易度が高い、、、なんていわれていました。さて、どこにしようか。
しかし、ここ10年である新たな勢力が力をもっています。それは、『公立中高一貫校』(~高校付属中や中等教育学校など)
この公立中高一貫は1999年に制度がスタートしました。理由は、公立の授業でも多様な学習機会を創出するため。首都圏でも2005年に白鴎高校附属中ができて以来、現在までに10校以上の学校ができています。また、全国的にも公立中高一貫は広がりを見せ、数十校の学校が生まれました。こうして全国で公立中高一貫ブームがひそかに起きているのです。
公立中高一貫の種類
そしてその公立中高一貫にも種類があります。
①中高一貫型…完全中高一貫。高校からの募集は基本なし。
②併設型…高校附属中という位置づけ。高校からも募集することが特徴。
③提携・連携型…独立した中学、高校が連携してカリキュラムなどを制定。
公立中高一貫校一覧(wiki)
学費の面でいっても、2008年の高校無償化があってから、公立中高一貫校は基本授業料無料となっています。こうしたことも人気の理由のひとつでもあります。
そしてこれまでの私の経験上、
例えば、公立中高一貫に5人の受検生がいるとすると、
2人は記念受検、
2人は塾で専用の対策で受検
1人は私立中との併願 という組み合わせが多いです。
→ポイントは私立中併願の生徒が対策なしでもさらっと受かることです。
※補足 私立中学は、基本的に算国理社の4科目受験です。一方、公立中高一貫は、適性検査とよばれる全科目融合といえる問題が出願されます。そのため、『受験』ではなく『受検』と呼びます。
公立中高一貫入試は、多くの学校で志願倍率10倍前後というところがざらです。つまり、10人から1人程度が合格するという難関なのです。一方私立中入試は、約2~4倍程度が過半数。しかし、公立中高一貫は、記念受検組が多く占めていますから、実質倍率は私立中入試とあまり変わりありません。ただし、試験内容がグループワークや総合問題の難易度の変化などあるため、<私立中入試と比べると、>公立中高一貫入試の方が結果が読みにくいということがいえます。
そのため、私立中入試対策だけやってきた生徒が、傾向の全くちがう公立中高一貫にうかるということが起きます。小3から私立中入試向けの勉強を4年近くやっていれば、多くの生徒は、4科の学力が強くなっていますから。上っ面のテクニックではなく、4科の総合力で力づくで公立中高一貫にうかるのです。
こんな公立中高一貫は、進学実績も着実に伸びており、小石川中等教育では、東大に5名合格者を出しています。※2013年度
そのため、中には、2月1日入試の御三家(開成・麻布・武蔵・桜蔭・女子学院・雙葉)の併願に2月3日の小石川(公立中高一貫)を受けたりします。そういえば、去年教えていた生徒は、私立の最難関中と公立中高一貫中の両方が受かり、公立中高一貫を選びました。
最後にご紹介。立川国際中等教育学校という公立中高一貫校が帰国生に人気です。
今年の入試状況は、
一般枠 応募者803名 定員130名
帰国枠 応募者63名  定員30名 でした。
帰国枠の試験内容は、作文やプレゼンです。帰国生で公立中高一貫に行きたければ立川国際は、きちんと準備をすれば間違いなくチャンスです。このようなことから、現在公立中高一貫か私立中で迷っている帰国生がいれば、選択肢は以下になります。
受検まで1年以上あるなら、①私立中入試向けの勉強をスタート・秋以降併願対策。 
受検まで6か月くらいなら、②公立中高一貫(立川国際を先に検討)に絞って対策。
もちろん、学校方針や環境が立川国際とあっているか検討しておくことは大事ですよ。時間のあるうちにHPなどで確認しておきましょう!
立川国際中等教育学校→http://www.tachikawachuto-e.metro.tokyo.jp/
このように、帰国生においても公立中高一貫は、選択肢の一つになっています。
次回も帰国入試知識を増やし、子供が成長できる環境を手にいれましょう!
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