帰国生入試を実施する中学(男子校)の出願者数がどのくらいかご存知でしょうか。出願者数や実質倍率を把握すると、各校の入試規模が分かり、学校選びの参考になります。今回、2020年度の入試結果をまとめました。
まずは、出願者数(10名以上の学校)から見てみましょう。学校間格差が如実に現れています。
特に東京都市大付属中は、数年前から出願者数が男子帰国枠で毎年最多です。
これは、①成城学園前という立地、②理科教育に力を入れる学校の特色、③学年の4分の1にのぼる高い帰国生比率、④1/6という入試日設定などの複数の好条件が重なり人気に繋がっています。
今年は東大に4名合格するなど進学実績も伸びてきており、来年以降も都市大付属人気は続くでしょう。
そして攻玉社、海城、聖光学院が続きます。聖光学院は帰国生の資格要件が比較的緩いため、低学年で帰国した生徒も受験できます。
当然、上記の学校は、受験生の学力も高いため、十分な準備が必要となります。
立教池袋、学習院は、12月初旬に連日の入試となるため、併願するケースも多くあります。おそらく半数以上の受験生が併願してるんではないでしょうか。各校、毎年70100名程度の出願者がいます。
特に、立教池袋は今年度から国内インター生も受け入れ始めたことで、2年連続の100名の出願者となりました。この国内インター生の受け入れは、来年以降、他の学校でも広がる可能性があります。
次に実質倍率です。
一番高倍率なのが聖光学院。4倍を超えています。記念受験組も一定数いるとみられますが、本気で合格しようと思えば、入試問題が一般入試と同等レベルであるため、相当な準備が必要です。
そして上記でも述べた通り、低学年で帰国した生徒も受験できるため、小3から国内生と同様に中学受験準備をしてきた生徒との競争になります。特に算数・国語受験組は、開成や麻布などを受験する最上位層との争いになることを覚悟しておきましょう。
次に、聖光学院に続く高倍率な学校である立教新座・立教池袋は、例年合格者数を絞っており、結果として倍率も3倍前後と高くなっています。
立教新座は一般入試と同じ入試問題を使うため、国内生と同様の準備が必要です。以前は数名程度の出願者数だったのですが、ここ数年で増加しています。
倍率は立教池袋と同じくらいですが、出願者数で差がついている理由は、入試が1月下旬と後ろであるため、新座を第一志望にしている埼玉エリアの帰国生に絞られるからです。(当日欠席率も0%であることから第一志望率の高さがわかります。)
最後に、高輪・都市大付属も、ここ5年間で倍率が高まりました。高輪の入試日は、例年、都市大付属や海城の入試日の後であるため、併願者が増えていると予想されます。両校のこの傾向は来年以降も踏襲されるでしょう。
以上、帰国枠の出願者数や倍率を見ると、背景には各校の入試日程や試験問題が影響していることが分かりますよね。
そのため、今置かれている帰国生の学習状況によって、最適な受験プランは変わってきます。ご相談希望の方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
参考にしてみてくださいね!