今回は、子どもへの『ほめ方』について。
昨今、子どもへのほめ方というのは、よく言われます。叱るよりほめることが絶対的な善であると。。もちろん、ほめるという行為は極めて大切なのですが、、、ほめ続けるって本当に難しい。隙あらば、注意しちゃいますよね笑
そして、『ほめる』って本当に奥がふかい。私も、どんな言い方が子どものやる気や心に火をつけるのかと日々自問します。これまで、生徒に声をかけ、同じセリフでもその表情や間、声量などによっても全く感じ方は変わるということをいやというほど感じてきました。本当に難しいのです。
そもそも、ほめるといっても子どもの成長時期にもよります。そりゃそうです。5歳の男の子と中3の女の子に同じようなほめ言葉をいっても心に響くか響かないかなんて言わずもがなです。しかし、ほめることにも、最低限の基本法則のようなものはあるのではないかと最近感じています。
まず、ほめるという行為を、
『子どもがなにか行動し、周りがその行動について好意的に反応すること。それがきっかけで、子どもが継続的に行動すること』
心理学的に用語もあるんでしょうけど、ここではシンプルに。
では、みなさんは子どもをどのようにほめていますか。
例えば、○○ができて『やったね』『えらいね』『がんばったね』という方も多いのではないでしょうか。それも子どもへの承認になり、本人もそれなりにうれしいでしょう。しかし、それだけでは、なかなか効果は見込めません。なにより継続しません。
(そんなこと言っている、私が実はそうでしたから、よくわかります笑 そんなことばかり言って子どもに対して『やったじゃん!』『えらいじゃん!』など連発していましたが、なかなか生徒がその行為や行動(勉強など)を継続するに至らずでした。)
そこで、私は『たて』の比較と『よこ』の比較ということを踏まえたほめ方をするようになった結果、徐々に行為を継続する生徒が増えてきました。(きっかけはひょんなことだったんですが。)
ポイントは、子どもへほめるときに何を基準にある行為を行ってうまくいったかをきちんと伝えること。そしてその先、どんなことがあるのかを期待を込めてさらっと伝えることです。
※もちろん、生徒が話を聞いてくれるよう、信頼関係を作ることが大前提。
『たて』⇒生徒の過去との比較。前はその子には、こんなこと※具体的 ができなかったけど、今できるようになった。
例)何か行為⇒“昔できなかったのにできるようになったね。がんばったじゃん。でも、次の問題はできるかな?!”
『よこ』⇒他の同学年の生徒などと比較。
例)みんなできない問題が解けた⇒おー!みんなできないのに君だけできたね。でも次の問題は、次の学年の生徒でもできないと思うけどけど、チャレンジしてみる??
そして、いずれの場合も次回も期待してるよ。ということを添えるように伝えたところ、今まで、その場でしか満足していなかった生徒が家でも同様の勉強や行動をするようになりました。それでもやらない!といって拒否した子はいまだ一人もいません笑 お母さんが、驚いて連絡をいただくこともありました。やはり、何と比較して、良かったのか、そして次回も期待しているという承認が自信を生み出し、次の行動の原動力となるのでしょう。
そういえば、この間、開成の校長の柳沢先生の著書を読みました。東大・ハーバードの教員を歴任された方なのですが、とても参考になります。その中に、垂直比較と平行認識という基準でほめることの大切さを解かれている章がありました。『たて』の比較と『よこ』の比較と近い基準です。ほめることに興味がある方、悩んでいる方にお勧めの一冊です。
ほめることを通り一辺倒にするのではなく、タイムリーに前向きに、そして工夫して伝えてみてはどうでしょうか。ちょっぴり、子どもの取り組み方が変わりますよ。
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