今回は、2023年度の帰国生入試の偏差値についてご紹介します。
首都圏の4大模試と言われる、SAPIX・日能研・四谷大塚・首都圏模試では各中学の入試日程別の「偏差値一覧表」を公表しています。特に帰国生の多くが受験し、かつ帰国枠主要校の偏差値を網羅しているのが四谷大塚です。
※各学校によって入試問題や日程が異なるため、一概に比較するのは難しいのですが、合格者の成績から算出されたデータは入試のレベル感を把握するのに役立ちます。
①四谷大塚の模試の位置づけ
まず、4大模試はそれぞれ母集団が異なるため、偏差値の出やすさが変わってきます。わかりやすく偏差値の目安として下記のようになります。一番左のSAPIXの模試は受験層のレベルが高く、高成績を出すのが難しい一方、右の首都圏模試は学力中堅層が多く受験するため、成績が出やすくなる傾向があります。
(難)SAPIX>四谷大塚≧日能研>首都圏模試(易)
※ある受験生がすべての模試を受ける場合、SAPIXと四谷大塚で約3point、首都圏模試と四谷大塚では5point程度の偏差値の差異が生まれます。※右側(首都圏模試)になるほど高偏差値となります。
②四谷大塚の偏差値を見る際の注意点
帰国生が偏差値を見るときに注意しなければならないのが二点あります。
・入試科目が英語のみの場合、偏差値表にない。
・サンプル数が少ないと偏差値一覧に載らない。
その該当学校の帰国生入試に英語が含まれるかどうかという点。なぜかというと4大模試には英語科目がないためです。特に、英語を主要科目とする帰国枠の偏差値は出ません。例)渋谷幕張(帰国)など。
そして、残念ながら、全ての帰国枠実施校は載ってはいません。というのは、四谷模試を受けた生徒の中で受験者数が少ないと、データとしての精度が低いという理由で掲載がされないのです。逆にいうと、四谷大塚の模試を受けている受験生の多くが、どのような学校を志望しているのかがわかります。
英語・算数・国語の3科目入試の場合、合否における英語の比重は学校によっても異なるため、参考程度に捉えるのが良いでしょう。算数・国語のみを入試科目とする学校(立教女学院や学習院女子など)の偏差値データ・数値は精度が高いと言えます。
③偏差値一覧(80%偏差値)
では、早速確認していきましょう!
★共学校・男子校・女子校
カッコ内・・・入試日(2023年度)
68 渋渋(1/27女子)
67 聖光学院(1/8)
66
65 渋渋(1/27男子)
64
63 慶應湘南(2/2女子)
62 海城(1/7)
61 市川(1/20女子)
60 慶應湘南(2/2男子)、洗足B(1/14)
59 市川(1/20男子)
58
57 立教女学院(12/22)
56 立教池袋(12/3)都市大II類(1/6)
55 攻玉社(1/12)、逗子開成(12/26)
54
53
52 学習院女子(1/21)、学習院(12/4)、都市大I類(1/6)
51 大妻(12/9)
50 共立女子(11/27)
渋渋、聖光学院、市川(女子)、学習院などが、昨年度から1ポイント上昇しました。都市大II類に至っては、2ポイント上昇しています。一方、学習院女子は1ポイントのダウンという結果に。ここ数年で、全体的な各校難易度は安定してきており、毎年1〜2ポイントの差となっています。各校の難易度のおよその目安として参考にしましょう。