今回は、最新版(2022年度)の帰国生入試の偏差値についてご紹介します。
首都圏の4大模試と言われる、SAPIX・日能研・四谷大塚・首都圏模試では各中学の入試日程別の「偏差値一覧表」を公表しています。特に帰国生の多くが受験し、かつ帰国枠主要校の偏差値を網羅しているのが四谷大塚です。先日、四谷大塚から2022年度入試の合否結果をもとにした学校別偏差値表が発表されましたのでご紹介します。
※各学校によって入試問題や日程が異なるため、一概に比較するのは難しいのですが、合格者の成績から算出されたデータは入試のレベル感を把握するのに役立ちます。
①四谷大塚の模試の位置づけ
まず、4大模試はそれぞれ母集団が異なるため、偏差値の出やすさが変わってきます。わかりやすく偏差値の目安として下記のようになります。一番左のSAPIXの模試は受験層のレベルが高く、高成績を出すのが難しい一方、右の首都圏模試は学力中堅層が多く受験するため、成績が出やすくなる傾向があります。
(難)SAPIX>四谷大塚≧日能研>首都圏模試(易)
※ある受験生がすべての模試を受ける場合、SAPIXと四谷大塚で約3point、首都圏模試と四谷大塚では5point程度の偏差値の差異が生まれます。※右側(首都圏模試)になるほど高偏差値となります。
②四谷大塚の偏差値を見る際の注意点
帰国生が偏差値を見るときに注意しなければならないのが二点あります。
・入試科目が英語のみの場合、偏差値表にない。
・サンプル数が少ないと偏差値一覧に載らない。
その該当学校の帰国生入試に英語が含まれるかどうかという点。なぜかというと4大模試には英語科目がないためです。特に、英語を主要科目とする帰国枠の偏差値は出ません。例)渋谷幕張(帰国)など。
そして、残念ながら、全ての帰国枠実施校は載ってはいません。というのは、四谷模試を受けた生徒の中で受験者数が少ないと、データとしての精度が低いという理由で掲載がされないのです。逆にいうと、四谷大塚の模試を受けている受験生の多くが、どのような学校を志望しているのかがわかります。
英語・算数・国語の3科目入試の場合、合否における英語の比重は学校によっても異なるため、参考程度に捉えるのが良いでしょう。算数・国語のみを入試科目とする学校(立教女学院や学習院女子など)の偏差値データ・数値は精度が高いと言えます。
③偏差値一覧(80%偏差値)
では、早速確認していきましょう!
★共学校・男子校・女子校
カッコ内・・・入試日(2022年度)
68
67 渋渋(1/27女子)
66 聖光学院(1/9)
65
64 渋渋(1/27男子)
63 慶應湘南(2/2女子)
62 海城(1/7)
61
60 慶應湘南(2/2男子)、洗足B(1/8)、市川(1/20女子)
59 市川(1/20男子)
58
57 立教女学院(12/21)
56 立教池袋(12/3)
55 攻玉社(1/10)、逗子開成(12/25)
54 都市大II類(1/6)
53 学習院女子(1/23)
52
51 学習院(12/4)、都市大I類(1/6)、大妻(12/12)
50 共立女子(11/28)
聖光学院、海城、逗子開成、市川、立教女学院などが、昨年度から1ポイント上昇しています。ほか、全体的に昨年度と同様の結果となりました。
④まとめ
女子は、洗足学園(B方式)※が、昨年に続き、偏差60となりました。同じ神奈川県内にあり併願することが多い慶應湘南とは、ほぼ同レベルの学力が必要になってきており、これからも人気・難易度は高い状況が続くと思われます。
※参考:B方式:英語・算数・国語・面接、A方式:英語・面接
また、海外経験のない「国内インター生」は、洗足学園のほか立教池袋や渋谷幕張などの一部の帰国生入試実施校で受験することができます。そして、2023年度から、聖光学院の帰国生入試で国内インター生※も受験できるようになりました。
※なお、一般入試の4科目を準備している国内インター生も、立教池袋や聖光学院などの英語が必要ない算数・国語の2科入試も受験することができます。上位校を目指す生徒であれば、しっかり学科試験を得点できるでしょう。(英語を使わない帰国生入試を受験する生徒も一定数存在することから、それらの学校の入試難易度は高水準になることが予想されます。)
最後に、興味がある方は一般枠と帰国枠の偏差値を比較してみてください。多くの学校では、約3ー5ポイントほど帰国枠の方が偏差値が低く、帰国受験生にとってチャンスがあることがわかります。帰国生は、是非この機会を生かしましょう!
※参考:四谷大塚HPのリンク
参考にしてみてくださいね!