f:id:tapdan:20140307131348j:plain
慶應義塾大学 旧図書館
私立大学の発表も一段落し、残すは、国立大学の発表だけとなりました。私立大学の帰国入試は、10月~2月に行う学校が多く、秋に入試が実施されます。1月以降が東大をはじめとする国立大の帰国入試。
帰国入試に限らず、一般入試でも、例えば、人が選ばない科目を組み合わせることで、魅力的な環境を手にする方法が実はあります。
生徒や保護者にのみ話しているので、記事にする気はなかったのですが、、、
今回、特別にお話しさせていただきます。
受験は、選択科目ひとつで倍率が大きく変わります。例えば、私立の雄、早稲田と慶應。その中でも、商学部は入試時点では、対照的です。それでは科目からご紹介。
早稲田大学商学部。
科目は主に英語、国語、社会・数学から1科目の3教科受験です。2013年度の実質倍率は、8倍でした。相変わらず全国の受験生がこぞって受けに来ます。
一方、慶應義塾大学商学部。
慶應の文系学部は多くの他大と異なり、一般入試では多くの学部は小論文を課します。その中でも商学部はA方式とB方式があり、A方式は、数学を必須としています。
もう少し詳しく、定員と受験科目は、
商学部  定員500名 受験科目:英語、文系数学、社会
※定員数は少ないが、一部文系数学を除くB方式もある。
慶應商学部は、私立文系ですよ。それで数学が必須ということは、受験生は集まらないのでは??
→はい、そうです。集まりません。
理由は、主に二点あります。
①早稲田などの私立文系型(英国社)→慶應商学部のA方式は数学があるのでパス。
②理系の受験生→慶應商学部は、受験科目に社会があるのでパス。
その結果、
2013年度入試の倍率は、以下の結果となりました。
早稲田大商学部が入試倍率8倍
慶應大商学部は入試倍率2.5倍
つまり、慶應商学部に絞って勉強するなら、努力が反映されやすくなっているのです。ちなみに30年ほど前までは、完全に数学必修入試でしたが、その後、数学必須という制度が緩和されました。
その背景には、数学必須にしてしまうと、慶應の文系学部の偏差値が低く見えてしまい、慶應ブランドの低下を恐れたのだといわれています。そのため、偏差値を高め、優秀な学生に入ってもらうため、数学を外したB方式が採用されたのです。現在、数学を必須にしているのは上智大経済・経済など数えるほど。
現在、慶應は経済界を中心に優秀な人材を輩出していますが、その背景には、経済系学部の数学必須という受験制度が関係しているのかもしれません。そういった点で、数学必須という慶應入試の特徴は今後も引き続き続けてほしいものです。
まとめ.
周りの多くのひとが選択しないことを組み合わせると、競争倍率が低くなることがあります。帰国生は、国内の受験生と比較してマイノリティな存在。入試制度なども、そもそも帰国生枠として別に募集されています。それに加えて、帰国生+理系科目に強い、帰国生+バカロレア資格があるなど、帰国生の中でも差別化ができれば、受験をうまく乗り切れるでしょう。
きちんとした帰国入試知識や対策が、受験という関門を突破させる武器にもなるのです。そういったことから、ひとがやらない科目、地域を組み合わせることで、独自のゾーンでたたかえる受験の仕方はおすすめです。少しでも、他人が選ばないことがあれば、ぜひそれを尖らせましょう。
人の行く裏道に道あり花の山
それでは、次回も帰国入試の知識を増やし、子供が成長できる環境を手にいれましょ!
【海外教育に関する他のブログ】