
慶應義塾には、通称SFCと呼ばれるキャンパスがあります。小田急片瀬江ノ島線・湘南台駅からバスで15分ほどの場所にあり、大学は総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部の3学部で構成されています。附属の中等部・高等部も併設されており、今回はこの湘南藤沢高等部(SFC)の高校入試について、2026年度募集要項をもとに最新情報をお伝えします。
SFC高等部の最大の特徴:一般の高校入試がない
SFC高等部が他の慶應附属校と大きく異なるのは、近隣の中学生が受験できる一般入試枠が存在しないという点です。出願資格は「帰国生入試」と「全国枠入試」の2つに限定されています。
- 帰国生入試:募集人員 約20名
- 全国枠入試:募集人員 若干名(神奈川・東京・千葉・埼玉を除く国内外の地域に在住・在籍した生徒が対象)
中等部からの内部進学者と合わせて、一学年はおよそ240名程度で構成されます。
地方から慶應を目指す場合、この制度は受験者層が絞られる分、有利に働きやすいのも事実です。親の転勤を機に上京したり、この入試を見据えて母子で上京する家庭もあるほどで、結果として各地域・各国の優秀層が集まりやすい傾向にあります。慶應卒業生のネットワークを地方や海外に広げる狙いで設けられた制度とも言われています。
帰国生入試の出願資格(2026年度募集要項より)
以下の(1)〜(3)をすべて満たす必要があります。
(1) 卒業要件
2025年4月以降、2026年3月末までに、学校教育における9年の課程を修了または修了見込みであること(我が国の義務教育課程に相当するもの)。
(2) 国外在籍要件(A〜Dのいずれか1つ)
- A.2023年4月1日〜2026年3月31日の3年間に通算1年6か月以上、国外の学校に在籍
- B.2020年4月1日〜2026年3月31日の6年間に通算3年間以上、国外の学校に在籍
- C.2017年4月1日〜2026年3月31日の9年間に通算5年間以上、国外の学校に在籍
- D.2026年3月から2017年4月に向けて国外在籍期間と国内在住期間を遡って計算し、「ある時点」で国外在籍期間が国内在住期間を上回ること(その時点で国外在籍期間が通算18か月以上であることが条件)
(3) 英語資格要件
TOEFL iBT 70点以上、またはIELTS 5.5以上、または実用英語技能検定(英検、S-CBTを含む)準1級以上を取得していること。
※有効期間は2023年11月〜2025年12月に受験・認定されたものに限る(年度により基準日が更新されるため、出願年度の最新要項で必ず確認してください)。
英語資格が出願要件そのものになっているため、以前の3教科入試時代に比べて出願時点で受験生の絞り込みが進んでいます。SFC志望であれば、中2までに英検準1級相当の英語力を仕上げておきたいところです。
英語資格要件が意味すること:絞られるのは学校種ではなく英語力
この英検準1級(またはTOEFL iBT 70/IELTS 5.5)以上という基準は、加点要素ではなく、満たさなければ出願すらできない必須条件です。ここが受験者層を絞り込む最大の要因になっています。
ただし「日本人学校在籍=不利」ではありません。以前インターナショナルスクールなどで英検準1級相当の英語力を身につけ、その後日本人学校に移った生徒が、日本人学校在籍のまま合格しているケースもあります。問われているのは現在の在籍校種ではなく、出願時点で英語力を維持できているかどうかです。
試験内容・検定料・日程(2026年度の場合)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出願登録(Web) | 2025年11月1日〜 |
| 出願書類郵送受付 | 2025年12月5日〜2026年1月6日(必着) |
| 検定料 | 30,000円 |
| 筆記試験 | 2026年2月12日(木)/国語(課題型小論文)100点・数学100点 |
| 面接 | 試験当日、受験生のみ、日本語+英語 |
| 合格発表 | 2026年2月13日(金)11時30分〜 |
※上記は2026年度(2026年2月実施分)の日程です。2027年度入学分の募集要項は、例年通り2026年9月上旬に学校公式サイトで公開される予定なので、実際に出願する際は必ず最新の要項で日付・資格基準を確認してください。
試験科目に「英語」がない点に注意
出願資格として英検準1級以上を課している一方で、筆記試験科目に英語は含まれません。試験科目は国語(課題型小論文)と数学の2科目のみです。英語力は出願資格の時点で担保されている前提のため、当日の筆記試験では測らない、という設計になっています。
そのため対策の重心は、
- 出願までに英語資格基準(英検準1級等)をクリアすること
- 課題型小論文(読解力・論述力)と数学の得点力を仕上げること
の2段構えになります。「英語ができれば受かる」わけではなく、英語はあくまで出願の入り口であり、合否を分けるのは小論文と数学だという点は、受験生・保護者ともに誤解しやすいところです。
面接について
筆記試験終了後、受験生のみを対象に、日本語と英語の両方で面接が行われます。面接時間は11時〜16時頃の間で、志願者数により前後します。予定時刻は事前にメールで通知されます。
まとめ
海外生・地方生という多様な生徒層を受け入れ、ITや英語教育にも力を入れているのがSFC高等部の特色です。一般入試枠がなく、帰国生・全国枠という限定的な入り口だからこそ、出願資格の年度更新や英語資格の有効期限は特に注意が必要です。今後もSFC出身者の活躍の場はさらに広がっていくでしょう。
出典:慶應義塾湘南藤沢高等部 2026年度募集要項(帰国生入試用)
https://www.sfc-js.keio.ac.jp/images/2026_sfcsh_returning_guideline.pdf
