今回、お話するのは、帰国枠の過去問について。
実は、海外から帰国枠受験をする場合、過去問の入手・着手・管理が難しいことをご存知でしょうか。だからこそ、事前に過去問の扱いや準備をしておくことが、スムーズな受験準備につながります。それでは、早速、入試問題の種類から確認してみましょう。
帰国枠の入試問題は、一般入試と比較して、いくつかのパターンに分類されます。
①帰国枠がなく、一般入試と同一問題
代表的な学校は、御三家中(開成中や桜蔭中など)や慶應中等部。いずれも帰国枠がありません。国内生と同等の力が求められる入試です。海外滞在中から日系学習塾や通信添削などを受けて、高い学力を身につける必要があります。
②帰国枠があり、一般入試と同一問題で、合格ラインの考慮される
早稲田中や早稲田実業が代表的な学校です。帰国枠の募集定員を若干名。ただし、入試の難易度は一般枠とほぼ同じだと想定して、準備をしておいた方が無難でしょう。高校入試でも同様です。
③帰国枠があり、一般入試と異なる問題
学習院中等科や立教池袋中、攻玉社中が代表的な学校です。試験科目数も一般入試より少なく、算数国語の二科目入試であるケースも。帰国枠入試が12月から実施することもあり、一般入試よりも易しい傾向にあります。
④帰国枠があり、一般入試と同一問題(一部の科目)で、英語が課される
慶應SFCが代表的な学校です。算数国語は、一般入試と同じであるため、中学受験向けの対策が必要です。SFCは、算数国語を含んだ一般入試向けの過去問集(声の教育社など)が市販されているため、解答解説の入手には恵まれます。また、英語の出来がカギになりますので、英語について力を入れましょう。
⑤帰国枠があり、英語のみ
渋谷教育学園幕張が代表的な学校です。現地校やインター校出身者を主に受け入れており、主にネイティブの教員が採点業務を行っていることが特徴です。その他にも頌栄女子学院も英語のみで入試を行っています。
さて、これら学校の入試問題が市販されていればよいのてすが、非公表であるケースも散見されます。まずは、志望校の過去問が公開されているか、確認しましょう。
例えば、攻玉社中では、毎年説明会などで入試問題集が販売されています。また、学習院女子では、昨年度から問題が説明会で配布されるようになりました。
他にも、渋谷教育学園渋谷中の入試問題(算数国語)は、市販の過去問集(声の教育社)に収録されています。ただし、解説は帰国枠の問題にはありませんので、注意です。
このように、帰国枠の過去問は、学校によって入手の仕方がバラバラです。興味のある学校はこの春から、前もってゲットしておきましょう!